株芝居を見よう!!
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チュートリアル



 番のはじまりは、ひとりの幼女でした。とある金融街でダラリと暮らすその幼女、あるとき株をやってみたいと思い立つも、どうしていいやら、皆目見当もつきません。そこで周りの大人たちに尋ねてみることにしました。

「ねぇ、あたし株を始めてみたい。」

 ところが大人たち、「危ないからやめておきなさい」とか、「お金は苦労して稼ぐもの」とか、果ては「人生そんなに甘くない」とかで、取り付く島もありません。
幼女は、大人たちの言うことも、まあもっともだと思いました。しかし、どこか的が外れているような、そんな違和感のようなものも、同時に覚えたのでした。
株をやるのは悪いことなんだろうか。少なくとも、善いことではなさそうだ。でもどこか腑に落ちない。幼女は、またどうしていいかわからなくなってしまいました。

 それからしばらくして、幼女はある翁のうわさを耳にしました。聞けばこの翁、その昔、いや、現在に至ってさえ、株を生業にしているというのです。一度は大人たちに諭された幼女でしたが、以来、株への興味は薄れるどころか、むしろ強くなってさえいました。
本当にそんなじじぃがいるんだろうか。会えるのなら会ってみたいが。
幼女は、翁を探してみることにしました。

 さてこの翁、どういうわけか、いまどき紙芝居をして廻っているらしいのです。しかもこの広い金融街で神出鬼没だというから、見つけるのは大変でした。日がな一日探し歩いた幼女でしたが、なかなか会うことはできませんでした。
気づけばもう夕暮れ。腹も減ったし家路につこうと踵を返す幼女。その刹那、どこからか小さな鐘の音が, 彼女の耳に飛び込んできました。
なんだろう。大引けにしてはちと遅い。
誘われるように音のする方へ歩き始める幼女。その先にあったのは、ひとりの紙芝居屋が、今まさに手仕舞いしようという光景だったのです。
間違いない。
そう思うが先か、幼女はもう翁に声をかけていました。

 ところで、ここまで執筆して私が感じたのは、文章を書くというのは、思いのほか難しく、メンドいということです。私は手を抜きたいと考え、ググってみることにしました。何か楽な方法はないんだろうか。あるのなら頼ってみたいが。しばらくして、「VNI形式」と呼ばれる手法が、私の目に留まりました。2秒ほど悩みましたが、私は…………

おらっ!見つけたぞ じじぃ!!

ほほ。無礼なお譲さん。今日はもう手仕舞いじゃよ。
それとも、他に何かご用かな?

うん。あのね、あたし株を始めてみたい!!

ほう?ほほう。

まず何したらいい?

そうじゃな、口座を作りなされ。

 ところで、原則として、未成年者が証券口座を作ることはできない。
作れるとしても、「親権者の同意が必要である」等の条件が付されている。
しかし、そういった制限がまとめて解禁されるケースが、ごく稀にだが、存在する。
例えば、フィクションである。


……作った!んで、何したらいい?

ふむ。その前に、どうして株をやってみたい?

へぇ?……んーっと……まぁ、いちおー経済学部だし……経済の勉強になるのかなってゆーか……

ほほう。他には?

へぇ!?……んーっと……まぁ……その……おこづ…かいを…

んん!?他には!?

………………カネ儲けがしたい(ボソッ。


正直すぎるが、まぁそれぐらい傲慢な方がえぇ。

んで、何したらいい?

ほほ。まずは株の仕組みを理解せんといかん。
お譲ちゃんは、どうして株でカネ儲けができるか知っているかな?

ううん。知らない。

正直すぎるが、さすがにそれぐらいは知っとった方がええ。
まず、”株は買ったり売ったりできる”。

へぇ。

次に、”株価は動く”。

へぇ?”かぶか”?

株の値段じゃ。

へぇ。

ほいで、”株を買った値段より高く売ることができれば儲け”じゃ。

へぇ?そうなの?

そうじゃよ。これを見てごらん。(図解↓

へぇ。ほんとだ……あれ?
でも これって……

ほう?

下がったら損しちゃうってことじゃない!やだー!(図解↓

さよう。
”買った後、株価が上がれば儲かるが、下がれば損をする”。
つまりはそういうもんなんじゃ。

うえぇ〜。

やっぱやめとくか?

ん〜……でもさ、上がればいんだよね。

ほほ?

よーするにさ、”今から上がります”ってタイミングで買えば、儲かるんだよね?

飲み込みが早いな。
まぁそーいうことになるわな。

よし!ちょっとやってくる!!


はぁっはぁっ……

どうじゃった?

負けた!上がると思って買ってんのに上がってくれない!……あ〜ん〜いや、違うなぁ。
ちゃんと上がるんだけど、けっこー下がることもあって……アタったりハズレたりするんだけど、なんか負けてる!結局よくわからん!!

ほほう。
この短時間でずいぶん経験を積んだようじゃな。

なんか向こうにそーゆーことできる施設があってね、フィクションだしね、そこらへん便利だよね。
あー、でもなんでだろ?わかってんだけどよくわからん。

買い場の見極めはなかなか難しいもんじゃよ。
ベテラン連中でさえ、100%の確信を持ってやっとるヤツなんかまずおらんじゃろう。

へぇ!?そうなの!?
でもね、いっぱい勉強したんだよ。
”ここで買えば絶対もうかる!”みたいな本とか読んだし、専門家の話とか聞いたの。

それでもだめじゃったのか?
なら文句を言ってやらんといかんな。
どれ、これから一緒に殴りに行こうか?

それはダメだよ。
倫理的にもダメだけど、なによりね、決まって”当方は一切の責任を負いかねます”って書いてあるんだもん。
あたし小学生って設定だけどね、これの意味はわかるよ。
よーするに”損しても知らないけどね”ってことでしょ?

おまいさん、小学生って設定のわりに聡いな。
その通りじゃ。そしてもっと言うと、”絶対もうかるって書いてるけど損することもあるからね(矛盾)”ってことじゃ。
本当に絶対もうかるなら、”ちゃんと責任取ったげるょ(はぁと)”ってなるからな。

ああ!ほんとだ!!
結局もうかるかどうかわかんないんじゃん!!
なんだよぉ!そりゃ上がったり下がったりするよ!!

ほほ。

前言撤回っ!
じじぃ、これから一緒に殴りに行こう!!

それはダメじゃ。
倫理的にもダメじゃが、なにより連中が責任を負わねばならんという決まりはない。
株は自己責任。腹立たしいがな。株は自己責任なんじゃ。

ぐぬぬ……(えっ?煽っといて?)

やっぱやめとくか?

ん〜……でもさ、それでも儲かってる人はいるんだよね。

ほほ?

不可能ではないはずなんだ。
株で儲かったり、それでご飯を食べたりしてる人は、実際いるんだもん。

そうじゃな。
確かにその通りじゃ。

だから方法はあるはずなんだ。
単なる運否天賦じゃない……なんてゆーか……勝つための……必然性……?

ほほ…
(この娘、やはり見所がある。確かに株は運の要素が強く、場合によってはそれだけで大きく勝てることもある。しかし、それはあくまで一時的なもの。長きにわたって継続的に利益を出そうと思うならば、やはりそれ相応の策というものが不可欠。それはつまるところ<以下略>)

じじぃ 何か知ってんでしょ?
単なる分析や予想じゃなくて、勝てるとすればこうってゆー……なんてゆーか……

知っておる……と言えば嘘になる。
じゃが、わしとて株屋の端くれじゃ。
自分の信じる思考のひとつやふたつは、確かに持っとるわな。

それだ!!
そーゆー話を聞きたいんだよ!こっちは!!

それは構わんが、それでもやはり勝てるかどうかはわからんぞ。
わしにとって正しいことが、おまいさんにとってもそうとは限らんからな。
(”スーパー免責タイム”開始)

へぇ。

むしろ負ける確率の方が圧倒的に高い。
株で勝っとるのは全体の1割ぐらいらしいからな。知らんけど。

へぇ?そうなの?

らしいぞ。
どうじゃ?それでも興は醒めんかね?
いずれにせよ、わしは一切の責任を負いかねるぞい。
自己責任じゃ。腹立たしいほどにな。
(”スーパー免責タイム”終了)

うーん……
いや、まだだな。

ほほう。

なんか上手く言えないけど、株ってそーゆーもののような気がするんだよね。
いや、株に限った話じゃないんだろうけど……上手くいくかはわからなくても、やってみなきゃ絶対上手くはいかない。だからまずはやってみなきゃいけない。上手くいくか、わからないとしても、やってみなきゃね。
それでどんな結果に転んでも、ちゃんと自分で責任取るよ!!

ほほ。お譲さんの気持ちはよくわかった
そういうことなら話をするにやぶさかではない。
少しは力になれるかもしれん。

んで、何したらいい?

そうじゃな、芝居を見に来るとええ。

へぇ?

わしの芝居じゃ。
これな、株の紙芝居。いわば株芝居なんじゃよ。

へぇ……?営業……?
うわぁ……萎えた。
むしろここで興醒めですわ。

ほほ。
まぁそう取られるかもしれんが、いちおーわしの芝居は、わしが株をやってきて経験したことや、信じてきた思考なんかを元に作ってある。
話を聞くと言うなら、一番手っ取り早いと思うがな。

へぇ……でもお高いんでしょう?

タダじゃ。

へぇ?

カネ儲けの話をする相手からカネを取っとったら世話ない。
これは暇を持て余した年寄りの、あくまで道楽じゃ。
間違ってもお客を啓発したり、技術を提供したりするような高尚なものじゃあない。
タダじゃ。

ホントに!?
それなら毎日でも行くよ!!

現金すぎるが、毎日はちょっとな。
年寄りじゃからな。
そんなには廻れんがな。

へぇ。それじゃあお手伝いしたげよう!

ほ?

体力にはね、自信あるんだよ。
あたしがついてってお手伝いしたげるよ。

ありがたい申し出じゃが……
さすがによそ様のお譲さんをほいほいお借りするわけにもいかんしな……

保護者にはちゃんと言うよ。
そしたら、じじぃの道楽は捗るし、あたしは話を聞きやすくなる。
これはアレだ!うぃんうぃんってヤツだ!!

ほほ。そうかぃ?
そういうことなら、じゃあまぁお願いしようかの。

決まり!!
じゃあ、まずはどこ行く!?

ほ?

あ、今日はもうお芝居終わりだっけ?

ふむ。芝居はもう手仕舞いじゃが……
そうじゃな、イイ感じに暗くなってきたことじゃし……

へぇ?

さっきの専門家先生たちを殴りに行こう。

ウィーーーーーーwwwwww↑↑↑

 雄叫びとともに、ふたりは暗い夜の帳の中へと消えていった。
強欲幼女と道楽老爺の奇妙な利害関係は、かくして結ばれ、茶番劇の幕が切って落とされたのである。
 ところで、原則として、人を殴ることはできない。
殴れるとしても、「正当防衛に値する」等の条件が付されている。
しかし、そういった制限がまとめて解禁されるケースが、ごく稀にだが、存在する。
例えば、フィクションである。